卓上型プラズマクリーナーシリーズ
リモートプラズマクリーナー
PIE Scientific社(ピーアイイーサイエンティフィック)
ラボ向けAll in one マルチユース対応。Dualプラズマソース内蔵で、
試料や目的に応じて「ソフトクリーニング」 「高速・ハードクリーニング」の
2つのモードが選択できます。(Tergeo-Proを除く。)
分析試料やTEM用カーボン支持膜のPreクリーニング(コンタミ予防)から、
濃厚なコンタミネーションの積極的な除去クリーニングまで、
1台で様々なニーズに対応します。
- Tergeo-EM(電子顕微鏡用途向け、TEM試料ホルダを装着可能)
- Tergeo-Basic(低価格エントリーモデル)
- Tergeo-Plus(Basicのラージチャンバーモデル)
- Tergeo-Pro(大型チャンバー&高出力モデル)
主な特徴
Tergeo-EM、Tergeo-Basic、Tergeo-Plus共通- Dualプラズマソース
- 目的に応じたクリーニングモード
- マスフローコントローラ
- フレキシブルなフロントドア構造
- 秀逸なユーザーI/Fデザイン
- TEMホルダを2本装着可能
- 極低ダメージのPulseモードを搭載
- ウエハなど大型サンプルに対応
- 9インチ大型チャンバー
- 高出力RFパワー標準150W
装置概要
卓上型プラズマクリーナーTergeoは、2つのプラズマソースを内蔵し、
用途に応じてクリーニングモードを切り替えることが出来ます。(Tergeo-Proを除く。)
このため「エッチング」や「アッシング」、「表面洗浄」、「表面改質」といった、
一般にラボで要求されるあらゆるプラズマ処理に、Tergeo1台で対応することが可能です。
Tergeoがあれば、プラズマ処理のために複数台の装置を用意する必要はありません。
以下のラインナップがあります。
- Tergeo-EM
- Tergeo-Basic
- Tergeo-Plus
- Tergeo-Pro
フレキシブルなフロントドア構造
フロントドアはバヨネット式で簡単に着脱が可能です。
試料などクリーニング対象物は、スライドトレイに乗せてチャンバー内にセットされます。
Tergeo-EMの場合、フロントドアのロッドアダプタに最大2本まで
TEMホルダを挿入し、そのままクリーニングすることができます。
ロッドアダプタは各社TEMホルダ向けに対応が可能です。


マスフローコントローラ
2系統(オプションで1系統増設)のマスフローコントローラで、プロセスガスの流量制御を行います。
Vent/Pumpは、別系統のソレノイドバルブで制御します。

秀逸なユーザーI/Fデザイン

3つのクリーニングモード(Dualプラズマソース)
高速クリーニング
Immersionモード
プラズマを試料室「内」で発生させます。
プラズマ空間の中に浸された試料は、ラジカルと化学反応を起こすと
同時に、スパッタリングされます。
フォトレジストのアッシングや試料エッチング、PDMS表面改質など、
積極的で早いクリーニングレートが要求される用途に適しています。
(参考) Immersion=浸漬。一般に「プラズマクリーナー」と称する 装置はImmersionモードであることが多いです。

低ダメージクリーニング
Downstreamモード
プラズマを試料室「外」で発生させます。
プラズマ発生室と試料室を分離することで、
試料はスパッタリングされること無く、マイルドな化学反応のみに
よってクリーニングされます。
熱や静電気放電に弱いデバイスや、TEM試料、カーボン支持膜付き
TEMグリッド、窒化シリコン膜などの繊細で脆い試料、薄膜コートされた
光学デバイスなど、ダメージレスでマイルドにクリーニングしたい用途に適しています。

極低ダメージクリーニング
Pulseモード
低デューティーサイクルのPulseモードは平均的な
プラズマ強度を著しく減少させることで、極繊細な試料へのクリーニング
適応を可能にします。
RF出力を変えるか、デューティーサイクルを変えることで、
プラズマ強度を調整出来ます。

製品仕様
| 製品 | Tergeo-EM | Tergeo-Basic | Tergeo-Plus | Tergeo-Pro |
|---|---|---|---|---|
製品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
プラズマソース | ダイレクトモード:CCP(CapacitivelyCoupled Plasma)【容量結合型】
| ダイレクトモード:CCP | ||
クリーニングモード |
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RF出力※ | 0〜75 W | 0〜150 W | ||
チャンバーサイズ | 内径:110 mm | 内径:160 mm | 内径:230 mm | |
システム制御 | 7インチLCDタッチパネル | |||
マスフローコントローラ | 2系統のマスフローコントローラで、プロセスガスの流量制御(オプションで1系統増設可)
| |||
プラズマ強度センサー | プラズマ発光強度センサーを内蔵 | |||
サイズ(W×H×D) | 450×230×430 mm | 450×230×430 mm | 500×300×430 mm | 500×550×550 mm |
重量 | 21 kg | 21 kg | 28 kg | 42 kg |
電源 | AC 90~250 V、50/60 Hz、800 W以下(真空ポンプ消費電力含まず) | |||
※ RF出力:日本国内では、初期設定でRF出力を49Wまでに制限しています。
“高周波利用設備申請書”の届出により、制限を解除し、75W(オプション:150W)まで使用可能となります。
基本性能
Turbo Discharge™ テクノロジー
高出力ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ技術により、高効率かつ高真空レンジでのプラズマクリーニングが可能です。
特に高真空領域でのプラズマ効率およびダウンストリームクリーニングにおけるラジカル種の生成スピードを大幅に向上させます。画期的なTurbo DischageTMプラズマソース設計技術は米国特許庁の認可を受けています。
プラズマ発光強度センサー内蔵(プラズマ診断)
安価なプラズマ装置にはプラズマ診断機能が無く、
オペレーターがプラズマ強度を視認するしかありませんが、
人の目はダイナミックレンジを自動で調整するため、定量的な診断は出来ません。
内蔵センサーは、定量的にプラズマ発光強度を診断することで、
より詳細にレシピを最適化することが可能で、
一貫したクリーニング結果を得ることが出来ます。

真空ゲージ内蔵
MEMS加工技術による小型熱伝対真空系を内蔵。
1e-4Torr ~ 760Torrまで測定可能。
内部温度センサと冷却ファン
プラズマクリーニング中はプラズマソース内が発熱しますが、 真空環境のため通常はクーリングができず、オーバーヒートすることがあります。 リモートプラズマクリーナーは内部に温度センサと冷却ファンを持ち、プラズマソースが60度を超えない様に監視・制御を行います。
外部電極構造により微量金属汚染を低減
内部電極のプラズマシステムでは金属電極にRFが印加され、この場合、電場が電極端で強くなるエッジ効果により、一様性を得ることは難しく、また内部電極がスパッタリングされることで、試料の金属汚染が問題になります。
本製品では、電極を石英ガラスチューブの外部に配置することで、試料の金属汚染を極めて低減します。
タッチパネルスクリーンと直観的なI/F

レシピ登録・管理

RF出力 0~75W可変 @13.56Mz
日本国内では、初期設定でRF出力を49Wまでに制限しています。 “高周波利用設備申請書”の届出により、制限を解除し、 75Wまで使用可能となります。
オート制御
独自のプラズマ点火アルゴリズムにより、レシピを選択・実行するだけで、自動でクリ―ニングプロセスを実行します。
自動インピーダンスマッチング機能(EM-KLEENを除く)
効率良くプラズマを発生させるためには、 RF電源とプラズマソース間のインピーダンスマッチング(整合)が必要ですが、 手動によるインピーダンスマッチングは慣れが必要で面倒な作業です。 自動マッチング機能は、確実で素早い自動整合を行い、 安定したプラズマを発生します。
オートガス流量制御
熱式流量計と電子流量制御弁によるマスフローコントロール。
応答速度 0~50sccm
コンタミネーションの発生原理と弊害
なぜコンタミネーションが発生するのか?

試料表面に堆積したコンタミネーション
試料から二次電子(<50eV)が発生

▼もっと詳しく(クリックで展開)
ステージやバルブに用いる潤滑材、真空グリス、ポンプ油、大気、
更には試料そのもの(特に蒸気圧の高いポリマーやレジストなど)、
これらはあらゆる高真空装置において炭化水素汚染の原因である
ハイドロカーボンのソースとなります。
分子量の大きい汚染物質は試料表面や真空チャンバー壁に付着し、
これらをガスパージで取除くことはできず、高分子材料が真空中に曝されると、
含有されている低分子有機物がガス化し真空中に放出されます。
試料室内は高真空に保たれていても、試料室内に残留した汚染物質や試料そのものから
アウトガスが放出されるため、試料表面は炭化水素系のガス分子に覆われた状態となります。
電子線やEUV、X線などの高エネルギー光ビームは、こうした残留ガス分子
(ハイドロカーボン汚染物質)を分解し、それによる副産物(主にカーボン)は
ビーム照射された試料表面や光学系などの表面で重合し、
汚染物質として試料表面に堆積されます。
コンタミネーションによる弊害
- 像コントラストや分解能の低下(特に極表面観察時の低加速電圧や、コントラストが得づらい平坦な試料において顕著)
- コンタミ付着による試料最表面の形態変化、偽信号の生成
- EDX、EELS等の元素分析や、EBSDのような表面敏感な分析の弊害
- 検出器の検出効率・感度の低下
- アパーチャー汚染によるビーム電流の変動・光学系分解能の低下
- 鏡筒内汚染によるビームドリフト・フォーカス変動・収差
- 光学系(X線・EUVミラー, 回折格子,FZPなど)の反射率や透過率の低下


ダウンストリーム式プラズマクリーニング原理
※以下ではEM-KLEEN(リモートタイプ)をベースにしますが、Tergeo(卓上タイプ)も同様です。 ただし、TergeoのImmersionモードは除きます。

ラジカル種(O, O3, OH, H)を生成
拡散(ダウンストリーム)
反応(アッシング)し、水分子などとなって
真空ポンプでチャンバー外に排出
▼もっと詳しく(クリックで展開)
クリーニング対象の真空チャンバー、もしくはクリーニング対象物(試料や汚染コンポーネントなど)
をセットした真空チャンバーにプラズマソースを接続し、ソース内部の石英チューブはチャンバーと一緒に真空引きされます。
コントローラ(高周波電源)からプラズマソースにRF信号が伝達されると同時に、
ソースの通気バルブを介してプロセスガス※1 を導入し、チューブ内にプラズマを発生させて活性ラジカルを生成します。
チューブ内のラジカルは真空装置付随のポンプでチャンバー内に引かれて拡散します。
チューブ内(上流)からチャンバー(下流)へのラジカルの流れをダウンストリームと呼びます。
チャンバー内で拡散されたラジカルは、チャンバー内に残留した ハイドロカーボンガス分子や、クリーニング対象物やチャンバー壁に 堆積した有機物と化学的に反応(低温灰化, アッシング)して低分子化され、 最終的には二酸化炭素や水分子などの副生成物となって真空ポンプでチャンバー外 に排出されることで、チャンバーおよび対象物をクリーニングします。
※1:通常はAirまたは酸素ガスをプロセスガスとして導入する
ことで酸素ラジカル(原子状酸素)を生成し、酸化反応により
クリーニングを行います。酸化が許容できない場合は、ガス種に水素を用いた
水素プラズマ(原子状水素)による還元反応で
クリーニングする場合もあります。
主な使用方法
予防的な使い方 アンチコンタミネーション:コンタミを堆積させない
汚れを真空試料室に持ち込まない
Case1
卓上型プラズマクリーナで試料ホルダをPreクリーニング
試料やホルダの表面にはコンタミネーションの原因となるハイドロカーボンが付着しています。 真空試料室に試料やホルダを入れる直前にPreクリーニングすることで、 試料室内へのハイドロカーボンの持込みを防ぎます。
適応機種:Tergeoシリーズ

Case2
試料交換室で試料やホルダをPreクリーニング
装置にプラズマソースを設置できる試料交換室がある場合、 交換室内で試料やホルダのPreクリーニングを行うことで、 試料室内へのハイドロカーボンの持込みを防ぎます。
適応機種:EM-KLEEN, SEMI-KLEEN

Case3
試料室内でPreクリーニング、同時に試料室内のクリーニング
装置に試料交換室が無い場合は、
試料室に設置したプラズマソースを用いて、
試料室内で試料やホルダのPreクリーニングを行います。
この時間で同時に試料室内のクリーニングにも効果があります。
適応機種:EM-KLEEN, SEMI-KLEEN

真空試料室内の定期コンディショニング
汚染の原因となる炭化水素は至るところに存在し、 様々な経路で試料室内に侵入します。対象サンプルそのものが 汚染源である場合もあり、試料室内は徐々に汚染されます。 定期的に試料室をクリーニングすることで、試料室内に残留した 炭化水素を分解除去し、試料室内を清浄な状態に保ちます。
適応機種:EM-KLEEN, SEMI-KLEEN

除去的な使い方 クリーニング:堆積したコンタミを取り除く
汚染された試料やコンポーネントのPostクリーニング
電子ビーム照射により付着したコンタミを除去クリーニング
例:
- 分析などで長時間露光により試料表面に堆積した
コンタミネーションの除去 - アパーチャーや検出器の再生クリーニング
適応機種:Tergeoシリーズ, EM-KLEEN(試料交換室)


ラインナップ
プラズマクリーナーについてよくあるご質問
Q.リモートプラズマクリーナーが低圧で使用できるメリットは何ですか?
主に3つのメリットがございます。
- 高真空(0.1mTorr~2Torr※)でプラズマ点火が可能ですので、ターボポンプを停止する必要がありません。
ユーザーはガンゲートバルブを開き、チャンバーに接続されている他の高電圧装置の電源を切るだけで使用できます。 - チャンバー内壁の圧力が 20mTorr より高い場合、新たに生成されたラジカル種はプラズマソースから拡散する前に相互に再結合してしまいます。低圧状態は、チャンバー内のラジカル種の損失を低減します。
- プラズマソースを低圧で作動させることで、発生源とチャンバーとの間のコンダクタンスを非常に大きくすることができます。それにより、新たに生成したラジカルが洗浄チャンバー内に容易に拡散できるようになります。
※ 設器条件によって異なります。詳細は担当営業にお問い合わせください。
Q.自動RFインピーダンスマッチング(整合)のメリットは何ですか?
プラズマソースが常に最適なRF条件で動作するので、手動によるインピーダンスマッチングを行う必要がありません。
多くのRFプラズマシステムでは、単に反射RF電力をゼロにすることは、必ずしもプラズマソース内部のRF結合を最適化を意味するものではありませんが、 PIE社の自動インピーダンスマッチングアルゴリズムは、内蔵のプラズマプローブにより、反射電力を最小にすることに加えて、プラズマ強度を最適化することが可能です。
Q.最適なレシピはどのように設定すれば良いのですか?
センサーからフィードバックされたプラズマ強度に基づいて、ソース真空度(もしくはガス流量)およびRF電力を調整できます。
異なる真空システムは、異なるポンプ速度および異なるチャンバサイズを有します。したがって、最適なガス流量は、システムによって異なる場合があります。
PIE社のプラズマクリーナーは、ガスの流れを電子的に制御することができます。ユーザーがソース内の真空度を変更すると、流量コントローラは設定された圧力を維持するようにガス流量を自動的に調整します。
プラズマ強度は内蔵されたプラズマセンサーにより監視できます。
ユーザーは表示されるプラズマ強度を元に、所望のクリーニング速度に対するソース真空度、RF電力を調整することで最適なレシピを作成できます。


